基本理念


創業者が会社の創業に託した想いや価値観.存在理由や目的
企業や会社は何のためにどの方向に向かうのか
社会的責任をどのように果たしていくのか
その指針を明文化したものを基本理念や経営理念といいます。
判断に迷ったとき 経営理念があるからこそ 間違えないで正しい方向に進むことができる。
それは小さな個人商店には無縁のものと思っていました、

わたくしの父は1970年(昭和45年) 37歳で病死しました。
2019年11月 古い書類を整理していて父が愛用していた大型サイズの手帳を見つけました。
手帳の最初のページに力強い筆跡で以下の文章が書いてありました。

世界の企業 ダイムラー、ベンツ (西ドイツ)
性能を売る会社
技術者精神に徹する。
伝統とは厳しさを伴うもの。
鼈甲の川口は明治十四年の創業.鼈甲ひとすじの暖簾に七拾有余年の伝統があります。
しかし ただ暖簾の古さのみを自慢にはしません。
それよりもこの長い間 最上の鼈甲だけを扱ってきたことに誇りを持っております。
川口に来て頂ければ ほかでは求められない 本当の気品をもつ鼈甲を取り揃えております。

わたくしのお仕事に対する基本的な考えがそのまま綴られていることに
びっくりいたしました。
お仕事を通して出会った人達から厳しい指摘を受けてきたことで身についた価値観
父や祖父とは違うと信じて疑いませんでした。
しかし それは間違っていました。
創業者である曽祖父が祖父に伝え
祖父が父に伝え
父が母に伝え
創業から百四十年 継承してきた揺るがない不変の価値観であることをはじめて知りました。
日本の西の果ての 小さな個人商店に
基本理念 (経営理念) がありました。
父が急逝したのは1970年11月
奇しくも 父の五十回忌の出来事でございます。


2019年(令和元年)11月30日          川口洋正 拝