語りきれない想いを


この輝きとぬくもりに


託したい





長崎は海の懐にすっぽり抱かれたところ。異国の香りを運んできたのも海上の道でした。外国との交易に育まれてきた長崎は常に新しいものを取り入れいつも活気に溢れていたのです。そして昔も今も異国情緒を漂わせながら詩情と歴史に彩られた魅力的な街として全国に知られています。べっ甲細工はそんな長崎に伝わる異国文化のひとつとしてその技法は今日に伝承されています。玳瑁(タイマイ)という熱帯の海域に生息している亀の甲羅が原料で.寛永年間に交易のあった中国から技法を学んだといわれています。その優雅で繊細な模様・色彩・光沢は美術工芸品やアクセサリーとしていまもなお多くの人々に愛されています。


詩と文 津田桂子