鼈甲の艶出法
鼈甲の艶出法には、古典式艶出法と近代式艶出法がありますが、光澤の保有力の點、光艶の優佳にして深みある 點に於て、古典式に依りたる物に優れたる特長があります。
古典式艶出法
第一「ガンキ」で庇を取り除き、キサギ刀で充分地ならしをなし、サンペーパ、木賊、椋の葉の順序で研磨し、次に鹿角粉 をラシャに附して磨き、大体の艶の出でた所で鹿皮に鹿角粉を附けて磨き、最後に手艶と稱し手掌の油氣を除き、少量の鹿角粉を附け手掌にて仕上げ磨を行ふのであります。此方法は 古より行はれた方法で、眞の光澤を表はす最善の方法とされて居ります。
近代式艶出法
バブ磨と稱する機械に綿ネルをk車の如く重ぬ合せた物を急廻轉せしめ、磨砂により古式の「サンべーパ、木賊、椋葉磨」代用をなし其の上を藥品により仕上磨を爲す方法で、勞力節約上最も簡易に屬する方法であります。併しながら前項のバブ磨を以て大体の艶出を 爲したる上に古典式艶出法の仕上艶出しに掛る手艶磨を加へ即ち近代式と古典式を併用したる物もありますが、失張古典式に依りたるものが一番優秀であ少、併用したる物が是れに次ぐ物で有ります。
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