貨位の記
貨物位の記
櫛笄簪に作りたる品の位は双を以て之れを定む。寛政年の頃品の位は貮拾双より三拾双を上品とす。享和より文化年中頃四五十双より六七拾双位を上品とす。文政年より以來厚肉流行の頃に至り、迫々引き立て百双位を上品とす。天保年巳來貮百四五拾双を上品とす。
同鑑定の記
貨物第一は制作に甲乙有り。第二は玳瑁生地の性、色合等上中下有るを、先ず是れを見定めて其の善悪を知りて、目方の多少を掛け改め、其の心に考へ合はせ、何拾双何百双と位を定むべきなり。但し算用と其の品の双を目安に置き、掛目を立て、是れへ双を懸ければ代銀何百何拾目と現はるるなり。
道具の記
目方は銀秤を用ひ、寸方は曲尺差を用ふ。厚みは分指を用ふ。包紙は吉野紙を用ふ。亦包紙は文政年の後(美濃國産紙)天具帖を用ふ。
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